寺院関係

京仏具について

始まりは平安時代の頃からと考えられ、寺院用仏具を作っていたようです。
家庭での寺院としての形であるお佛壇が普及し始めたのは江戸時代の頃からで、もともと厨子だったものが変化したものと考えられています。そして現在では国指定の伝統的工芸品産業に指定されています。
ほかの伝統工芸品と大きく違うところは完成までに数多くの職人の手を経ているところです。
木地師・彫刻師・塗師・蝋色(ろいろ)師・箔押師・錺金具(かざりかなぐ)師・蒔絵(まきえ)師など多くの職人の技を結集させることで完成する工芸品なのです。

伝統的な技法で造られた仏具は、長い年月が経っても持ちがよく、古くなっても修繕して造られた時と同じような状態に蘇らせることができます。

うるしについて

漆は漆の木から採れる樹液で古来より塗料や接着剤などとして使われてきました。
漆は乾くとともに硬さが増していき、酸やアルカリにも強く、防腐防虫効果や抗菌効果もあり衛生面でも優れています。
「漆」という漢字が「きへん」ではなく「さんずい」であることからも古くから樹液が重宝されていたことがうかがえます。
漆はそのままでは塗りに使うことが出来ず、樹液を採取し濾過精製されたものが使われます。
元々の漆はベージュのような色をしており黒や赤などの漆は顔料などを混ぜて発色させたものになります。
現在では顔料の種類も増え黒や赤以外にも青、緑、黄色、ピンク・・・などカラフルな色の漆を作ることが可能になりました。